【図1】ネットワーク図

主な機能
- お客様からの電話受付とその対応の記録
- インターネットHPからの転送メールの自動取り込み処理とDB登録
- クレームの担当店舗への内容のFAX送信
- クレームやニーズ情報を担当営業や各関連部署へのメール連絡
- イントラネットWebでの担当営業・部署からの「対応結果入力」
- イントラネットWebでのお客様情報の提供
外食産業における情報システム
ファーストフードチェーンなどは一般に外食産業というカテゴリに分類されている業種である。これら外食産業の多くはPOSシステム(販売時点でのレジ打ち込みで情報が本部に集計される)を導入している。このように、いわゆる勘定系ではコンピュータ化がされているが、他の業種と同様、情報系といわれる部分のコンピュータ化は十分とはいえない。
本事例における「お客様相談室」の業務は、お客様からの声(苦情や希望など・・・)をお聞きし対応する部門で、一般にCS活動(お客様満足度の向上)の中心となる部署である。
最近では単にお客様の声を聞くだけでなく、お客様の声を商品開発や店舗開発などに活かすべきであるという考えが一般的になりつつある。
いうまでもなく、メーカーあるいは流通・サービスにかかわらず「顧客第一」を考えなくて存在できる組織はありえない。しかし、実際の上記業務においては、まだまだ人海戦術であり情報技術が整備されているとは言い難い。外食産業は一般に社歴も浅く、かつ従業員構成も若年層が中心である場合が多い。また他業種と異なり、商品だけでなくサービスを提供するという側面において「人」が重要な問題となる。
したがって本システムでは、単に対応の記録や迅速化・効率化という機能だけでなく、お客様からの情報を全社で共有し、その声を活かす仕組みを重要視した。つまりシステムの提供という側面だけでなく、そのシステムを活用してどのように社員・アルバイトなどの意識を変革できるかという側面から光を与えるためのシステム作りが求められた。
また、2005年の4月から施行される「個人情報保護法案」にみられるように、個人情報の扱いには様々な配慮が必要となるだけでなく、今後もその傾向は強まるものと思われる。本システムではそれら個人情報の取り扱いルールについても考慮されている。
システムのポイント
今回のシステム導入においては、以下の諸点に留意して作成された。
・処理を出来るだけ楽にする
・リアルタイムで情報を伝達する
・部署内だけでなく全社員で情報を共有する
・TOPと全社員が同じ意識を持つ
・今までは出来なかった情報サービスを行う
*パット見た目で注目
従来、ユーザでは受付システムはACCESSで構築・運用されていたためグレー一色に慣れていた。そこでシステム変更を意味づけるためにもFileMakerの特徴であるGUIの良さを活かし多少カラフルなシステムとした。また、全社員で情報共有するためのイントラ内のお客様相談センターHPの画面においても、単にhtmlで作成されたHPではなくFileMakerDBと連動したHPとするとともに、受信内容や件数などをxmCHARTを利用してグラフ化、少しでもわかりやすく見やすい画面を心がけた。
【図2】


*クリック一つで伝達処理
お客様からの情報は、一般に電話・メール(インターネットHPから)などが主なものであるが、その情報を各店舗・部署に連絡するには、FAX・メールなどを利用して伝達する。これらは実際の作業時間が伴うものである。そこでこれら作業をFileMakerDBのスクリプトからワンクリックで自動的に処理できるようにした。
ワンクリックで処理が終了するのは以下の各処理である。
(1)該当店舗への情報FAX送信(FC店もあるため店舗へはFAX送信が中心)
(2)担当スーパーバイザへのメール連絡/その上席へのメール転送
(3)お客様情報の内容により該当関連部署へのメール送信
上記作業をワンクリックで運用するため(1)では「まいと〜くFAX」(2・3)ではSMTPitを利用した。
【図3】FAX/メール
*見せる仕組みへの工夫
苦情などの場合、お客様センターからの受付内容を各店舗・担当者(地区のスーパーバイザ)などが、その結果を入力することとなる。当初の目的は、すべてのお客様情報を全社員で共有し会社の知恵として活かすことであり、単に苦情処理の情報公開だけでは不十分と考えた。
そこで「全社員」が見なければならない仕組みとして「経営TOP」に参画してもらうことで解決した。具体的には経営者による問題点の指摘と、その指摘に担当者あるいはその上席がWeb上で答えなければならない仕組みを作ることであった。
つまり、お客様の問題点を社長(役員など)自らがチェックし、それを担当者や上席にメールで直接問い合わせるだけでなく、その経緯も含めすべてHPでオープン(個人情報は除く)することで、全社員の問題意識改革の礎となった。
【図4】社長の言葉

導入後の効果
本システムは経費節減を目指したシステムではない。むしろ単純な作業はPCにまかせ、本来のお客様情報をどのように活かすかに人員とエネルギーを注力するためのシステムである。言い換えれば「仕事の質」の変更を目指したシステムともいえる。
しかし、導入後約1年(2004/11月現在)で受信件数は30%増えたにもかかわらず、同じ人数で処理が行われているところを見ると、省力化にも十分寄与していると思われる。また本システムを通して、会社における意識の変革がなされたものているものと信じている
[2004/12/3]
[有限会社ジーネクスト 横治 祐介]
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