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活用事例:ファイルメーカー Proで電子カルテ
中規模総合病院でのファイルメーカーPro活用事例をご紹介いたします。
基本情報
- 業種:総合病院
- カテゴリー:クライアント/サーバシステム
- ユーザ数: iMac/iBook 60台(常時接続ユーザは40台程度)
- サーバの構成
- Xserve1台(FileMaker Server用)
- Xserve RAID(2アレイ:250GBx7枚)
- Windows2000Pro 2台(他サブシステムからの転送用)
- ファイル数:76
- レイアウト数:数百
- FileMakerのバージョン/Serverのバージョン:Server5.5/クライアント
5.5(いずれもMac OSX版)
- 使用プラグインと目的
- xmChart:患者さんに検査結果等グラフ描画して提示
- oAzium Events:転送等各種自動処理
- ChangePrinter:書類ごとに異なる箇所への印刷実行
- 他使用アプリケーションと目的
- AppleScript:ファイル名等自動処理
- Apple Remote Desktop:端末の管理
- Timbuktu Pro:Windows転送用マシンの管理
- Datadirect ODBC
Driver:医事コンピュータからのデータ転送
- 主な機能
- 処方箋発行システム
- 検査依頼/結果閲覧システム
- 各種書類発行システム(診療情報提供書ほか)
- 診療予約システム
- 放射線科依頼システム
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| 図1 ネットワーク構成図 |
ここがポイント
医療の現場では、部門間の連携は非常に重要ですが、スタッフ間の連絡は紙のカルテを移動する、メモを配る、予約台帳をコピーして各フロアーに配布する、など、多忙な業務の間に煩雑に行われていました。
また、院内にあるさまざまなコンピュータのシステム間のデータ互換性はなく、各セクションごとに患者様名簿はそれぞれ別々に、患者IDまで異なるものをつけている状況でした。
ファイルメーカーProを使った電子カルテシステムを導入することによって、このような状況をどのように変えることができたのでしょうか。
*情報の共有
- 医師、看護士、検査技師、会計担当者など、多くの部門の方が、患者さんが現在どんな状況にあるかを同時に把握し、それぞれの担当業務を遂行することができます。
- メッセージ用フィールドを活用することによって、これまで内線またはメモのやりとりで行っていた連絡をスムーズに行うことができる。
- 院内にある会計、検査等別システムとの連携、リアルタイムなデータ転送を行うことにより、データの入力等を省略し、患者様をお待たせする時間の減少をはかる。また、診療中に結果データを受け取り、患者様に提示することができる。
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| 図2電子カルテメイン画面 |
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| 図3会計画面 |
*情報の再利用
診療録をデータベース化していくことにより、同一処方の再発行等、繰り返しの業務の軽減化が可能になりました。
*プレゼンテーションの向上
・グラフ描画のプラグインを使用することにより、検査結果等をわかりやすく患者様に提示することが可能になりました。
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| 図4 検査結果をグラフ表示 |
ファイルメーカーProを使って開発していることにより、これまでレセコンでも対応ができなかった特殊な薬剤の処方箋記載への柔軟な対応や、Dr自らが簡単にデータを追加できるマスタファイルなど、「かゆいところにすぐ手が届く」システムになりました。
開発上のポイント
*MacintoshとWindowsの連携
院内の複数のサブシステムとの連携などもあり、ファイルメーカーProだけですべてを完結するのは難しいことはよくわかっていたので、目的を達成するために何が必要かを検討して、それぞれ異なる方法を用いて実現させました。
医事課のシステムからの転送はWindowsマシンでDataDirectのODBCドライバを使っておこなっています。oAzium
Eventsに、前のイベントが終わったら10秒のインターバルで次の動作を起こすよう設定をしておき、ファイルメーカーProへのデータのインポートが終わり、後処理が終わったら、すぐ次のデータのインポートができるようにしています。
検査課のシステムからの転送は同じくWindowsマシンを使いますが、これはテキストデータを書き出しておいておくファイルサーバとしての役割をもっています。
転送処理自体はMacintoshで行っています。Windowsマシンのボリュームをマウントしておき、そこからAppleScriptとShell Scriptを使用してデータを1カ所に集めてファイルメーカーProに取り込みます。こちらもoAzium
Eventsを使ってイベントを監視して、一つのインポート作業が終わったら次のデータのインポートができるようにしています。
*ユーザごとの表示画面調整
非常によく似たレイアウトであっても、ユーザによってボタンの配置が微妙に違ったり、不要なものは間違いのもとになるので、とにかくおかないようにしています。
計算フィールドでボタンラベルをかえたり、パスワードによって移動するレイアウトを変えたり、シンプルではありますが、現場には大切な機能です。
*色は適度に使う
業務システムにありがちなつめたいグレー1色のものではなく、重要なボタンに色をつけたり、外来は茶系、病棟は紫系、などカラートーンを統一したり、カラフルになりすぎないようにポイントで色を使うことにしています。
*ユーザによる初期設定ファイル
診療日時から投薬日数のデフォルトから、さまざまな場面で医師全員が異なる情報を持っています。これを管理する初期設定ファイルを用意しておき、「診療時間は15分単位だけど、午前9時から10時までだけは10分単位で」などという難しい設定でも対応できるようにしました。
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| 図5 医師初期設定画面 |
*ほんの少しの柔軟性の追加
テンプレートファイルから情報を自動で取り込むといった作業はよく行われますが、そのあとの「ここだけちょっとなおしたい」といった修正ができないと、システムの使い勝手は一気に下がります。医療現場では「この薬剤さんだけは特殊にこういう処方をしたい」ということもあります。
そこで、エラーチェックを常にかけて、エラーで処理を止めずに「これはエラーですがこのままでいいですか」とメッセージを表示して、そのまま処理ができるような仕組みが随所に組み込まれています。
*ユーザとのコミュニケーション
ユーザと管理者の意見交換には電子掲示板を使っています。トラブル時だけではなく、機能のご要望などを一カ所に書き込んでもらい、管理者が迅速な対応ができるようになっています。もちろん、これだけでは不十分なので、管理者は随時ヒアリングを行い、エンドユーザへのきめ細かな対応を行っています。開発者は管理者経由でニーズを吸い上げ、ユーザに最適化された機能追加を行えるようにしています。
各病院ごとに異なるノウハウをどうシステムに組み込んでいくか、というのはパッケージソフトには実現しにくいところであり、ファイルメーカーProだからこそできたことではないかと思っています。
[2004/11/15]
[有限会社ジェネコム 村上ゆりか]
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